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あなたへの手紙

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ある母は 
中学二年生だった息子に 
手紙を書いた
あれから年月が経ったから 
大きくなっただろう 
きみに 
どんな服を買ってあげたらいいのか
分からなくなってしまったよ



ある母は 
結婚を控えていた娘に 
宛てた 
必ず 
あなたを見つけるからね 
父さんは
潜水士の資格を取った 
この家に
連れて 
帰るからね



ある女性は 
交際している相手のご両親に
彼は 
消防士を目指して頑張っています
一生懸命に支えたいと思います 
天国から
見守っていてください 
良い妻に 
母になりますと 
綴った




< 2015.3.11 和合亮一@wago2828さんのツイートより> 







3月11日。
けさのツイッターで届けられた和合亮一さんの詩を
いくつか載せさせてもらいました。


和合亮一さんは福島の詩人である。
被災後、3月16日から、たった一人放射能におびえながら、
ツイッターで震災後の想いを発信し続けた。


放射能が降っています。
静かな夜です。


私はさっき、
泣きながら、
震災で明かりの点かない風呂場で、
湯に遊びました。
あなたにはあなたをあきらめないで欲しい。
湯水の滴る音が、
私の鼓動になり、
私は伝える勇気を、
高鳴らせました。
あなたには、
あなたをあきらめないで欲しい。
暗がりの湯の中で決意しました。   


街を返せ、海を返せ、風を返せ。
恋を返せ、誇りを返せ、福島を返せ。       < 和合亮一『詩の礫』より>




そういった言葉が、後に『詩の礫』という詩集になる。
やがて、詩を利用してるとか、
震災を利用して名声を得ている、
本筋から外れているんではないか、
とほかの詩人から、強烈に批判されることがあった。
和合さんがそんな言葉をどうとらえていたのか。


安全な場所にいて、腕を組みながらの言葉に、
自分を惑わせる余裕などなかったのではないだろうか。
それからも、和合さんは淡々とあきらめないで、ずっと詩を届け続ける。
ふとしたことで、和合さんの詩に出逢い、
私もいろいろなことを教えられ、感じ、考える機会を得た。




今朝、和合さんがRTしてくれた、
地震を経験された若いお嬢さんの言葉がとても心にしみる。
福島だけではないのです。
みなさんがいろいろな想いを抱えて、今日を迎えていると思います。
今日は特別な日ではなくて、何かが変わった日。
そんな言葉が書かれていた。


私はハッとする。
ああ、そうだ。
特別と思った時から、それは記念日のようになってしまう。
今日は何かが大きく変わった日なのだ。
目に見えるもの、目に見えないもの。
たくさんのことが変わった。


いろいろな人の心に想いをはせること。
フクシマの今をみつめること。
音もなく変わり続けるものを見据えること。
見ないふりをして、考えないことはやめる。
そして、変えようとする意図を注意深く排除すること。
未来は現在の積み重ねなのだ。


和合さんの詩を読みながら、
私は、今、あなたのことを想っています。








by haryhareh | 2015-03-11 17:06 | 好きな詩や本のこと | Comments(0)

還暦元年。まだまだ食べざかり、伸びざかり。毎日、すっとんきょうに、真面目に生きてます。日々のこと、好きなこと、JONTEのことなどをだらだらと。アイコンは川島小鳥さんの写真集「明星」。


by haryhareh
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