2015年 06月 10日
免許はどこいった? |

六月 茨木のり子
どこかに美しい村はないか
一日の仕事の終わりには一杯の黒麦酒
鍬を立てかけ 籠を置き
男も女も大きなジョッキをかたむける
どこかに美しい街はないか
食べられる実をつけた街路樹が
どこまでも続き すみれいろした夕暮れは
若者のやさしいさざめきで満ち満ちる
どこかに美しい人と人との力はないか
同じ時代をともに生きる
したしさとおかしさとそうして怒りが
鋭い力となって たちあらわれる
この詩を昔高校生に教えたことがある。
そんな仕事を数年したことがあるのだ。
詩をどう教えようかと悩んだ末、
自分で感じてね、と言って、雑談をしてごまかしたことがあった。
詩など教えようがない。
読んで感じて、たまに想いだして。
それでいいと思っていた。
あたしの勤める高校はイケメンとかわいい女子にあふれていた。
高校生くらいの男の子が、少しわけがわかってて、かわいらしい。
あか抜けていて、おしゃれで、どこか斜にものごとを見てて、
でもみんな自分が大好きだった。
女でちっこいから、ゆーことをきかせるのが大変だった。
叱るときは、まず教壇の上に立って、上から腰に手をやってしかりつける。
朝礼でちょこまかする奴らは、後ろから、お尻を蹴り上げる。
お尻にはアタシの足のあとがくっきりついていた。
でも、反撃は着てこなかった。
あとで、ごめんな、というと、
俺が悪いねんから、という。
やんちゃやったり、反抗的やったり、
ヤンキーぶっていたり。
クラス分けが終わり、新人だった私に、「どのクラスでも、好きなやつ取ってええよ」
といわれて、そんな生徒を注意深く除いた、アンパイなクラスを取ると、
ほんとに感じの悪いクラスになった。
やっぱりいろいろな人間がいるから、楽しいのだ。
担任してる自分が一番楽しくなかった。
生徒には悪かったけど、そういうことを私は社会人になって学んだ。
どんな苦手な子も、いつのまにか仲良くなった。
ぎゃーぎゃーいうんで、嫌われてたけど、
相手をしてくれる生徒もいて、楽しかった。
あたしのように未熟な人間を反面教師にして、
みんなしっかりと自分の進路を決めて、どっかにいってしまった。
数年前、同窓会で会ったとき、奴らは40歳で、あたしはぎりぎり49歳だった。
挨拶の時、君たちとあたしは同じ40代だぞ、というと、
みんな「げーー!」と絶叫していた。
あたしは嫌われていた。
それでも、何人かの男の子とはメル友になった。
今ならLINEになるだろう。
また同窓会に呼んでくれ。
あたしは学校の同窓会から預かった同窓会費4万円を握りしめている。
あたしのテーブルには、なぜかあたしのクラスの子たちがいっぱい集まってきて、
友だちみたいにやんややんや。
センセイ来るから、急遽来たんやで、という子もいた。
札付きのわるさとつきあってて、でも、好きなんです、と涙を浮かべていた女子が、
商社マンの奥さんになって、子供を私立中学に通わせていた。
あの涙はなんだったんだろう。
高校生時代、ねちっこくおつきあいしてた二人が、3メートルくらい離れたとこに座って、
あっちの方向を見て笑っていた。
同窓会のリーダーとしてがんばってくれた子のお母さんはもう亡くなっていたのだけど、
卒業して1年くらい、お母さんの相談役をあたしはずっとしていた。
息子が女の子を家に連れ込んで、Sexばかりして困るんだ、ということだった。
まあね、気持ちはわかるし、仕方ない。
でも、あたしにいわれてもね。
あたしはまだ子どもを産んだばかりで、
よそさんの息子の性生活の相談まで受ける資格も余裕もなかった。
心配をよそに立派に育ったその子に、
そんな話をしたら、目をむいていた。
30歳でその仕事をやめて、それからはときどきピンチヒッターで教えに行った。
高校生の男の子のパワーをいただいて、あたしは結構若返った。
ダンナくんに、「また教え行こうかなー!」というと、
「免許更新しにいかなあかんみたいやで、オマエの場合」という。
どうもまた大学に行って、30時間くらい勉強しなくてはいけないらしい。
うげーー!!
もう勉強はいらん。
それにあたしの教員免許、どこにいったかわからない。
まず、この夏は免許を探し出して、
来年くらいに講習に行こう。
そして、週8時間くらい、教えに行って、
8万円くらい稼ぎたいなぁ。
(週1時間教えて、月1万円の計算)
なんて都合のいい話はあるわけない。
まあ、とりあえず、教員免許を探すことから始めよう。

じょんちゃん、いい顔してますね。
もーー、ほんとに君はオトコマエ。
サランサランサラン♪
良かったよ。
白いシャツ着て、激しい動きで、
表情がくるくる変わる。
ブリキくんが降臨して、
初めてみるようなじょんてだった。
カッコよかったよ。
わたしのような読むひとの少ないブログでも、
なんでもかんでも書いてるわけではないんですね。
自分の場所だから何を書いてもいいという人もいるけど、
これを書くと、誰か嫌な想いはしないか、
誰か酷く傷つけはしないか。
誰かをひどく寂しい想いをさせないか。
そんなことを考えることもあります。
ネットやSNSの中にはなんでも埋まっているようで、
実は大事なものは人のこころに格納されていて、
表には出されていないような気もします。
あまりにも急ぎすぎる人もいて、
ともに歩む時間の中から、かけがえのないものを人はそれぞれ見つけ、抱きしめていく。
じょんちゃん、そろそろCD出るかしら。
待ってるから。
がんばる君を、いつも遠くから応援してるよ。
ひゃあひゃあ笑っる君が好き。
とか、いつもいつも想っています

by haryhareh
| 2015-06-10 16:34
| 好きな詩や本のこと
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