代官山の「末ぜん」さんの生姜焼き定食である。
よしもとばななさんの「サーカスナイト」に出てくる生姜焼き定食のモデルになったもの。
早くに亡くなる主人公の夫が愛して、
仕事の合間に食べていた生姜焼き定食であった。
生姜焼きは、チリチリした豚バラと玉ねぎとを炒めたものでなくっちゃ。
もちろん少し甘めで、たっぷりの千切りキャベツとポテトサラダが添えられていて。
そう仲良しの男の子と、
以前美味しい生姜焼きについて話していたとき、
ばななさんの「末ぜん」さんのことを思い出した。
出張の時、あたしの代わりに行ってみて、
と場所と名前だけ教えて、そのままになっていた。
代官山にそんなお店があるとは。
ぶつぶついってたのに、
先日見るからにうまそうな、
清潔なイメージの生姜焼き定食の画像が、
下のメッセージとともに、送られてきた。
末ぜん、来てます。
出張に行ったら、絶対に寄ろうと思ってました。
店内は老舗という感じで、
カウンターのお客さんと板前さんが会話してる感じで、
あの代官山界隈では珍しいような気もしました。
とっても良い雰囲気でした。
あ、しょうが焼きは嫌な甘味はなくて、
でもさっぱりしすぎず、
とても美味しかったです。
みそ汁も美味しかったですよ。
みそ汁もうまかったか。
良かった。
なんかうれしい。
普段は、カフェやギャラリーやカメラが好きなJONTE世代のおにーちゃんである。
まさか生姜焼きに乗り気だったとは。
小説の中のこの生姜焼き定食は、
幸せの湯気が立ち上がってるイメージ。
こちらは豚バラではなく、肩ロースでマカロニサラダ。
でも無駄なものがなくて、しみじみ美味しそうだね。
幸せのおすそ分け、ありがとう。
よしもとばななさんの小説は、
(現在は、息子さんが漢字を読めるようになったので、吉本ばななさんに戻ってる)
最後は感じいい方へ進むのだけれど、
どこかいつも死の匂いがして、
こちらの体調によっては、
読むのがしんどいときもある。
生きるとは死を見つめながら進むこと。
傷ついた人がたくさん出てきて、
その人たちがいろいろな人に出会い、
不思議なこともいっぱい経験して、
前を向いて優しく生きていけるようになる。
おだやかな日本語と、
あまり悪い人が出てこないのもいい。
一生懸命に明るく生きることだけが世の中の暗闇を照らし、
人間を救うことができるのは日常に生きる人間の明るさだけだ。
『ばななブレイク』より。
あたしはいろいろな人の、
いろいろな明るさに救われているのだと思う。
困ったとき、なにげないときも、
ふと一条の光が差し込む。
気づかないくらいの優しさで。
だからこそ、
あたしも一生懸命に明るく生きて、
世の中の端っこをささやかに照らせるようになりたいと思うのだ。
あたしの『サーカスナイト』。
しおり代わりに挟んであるのは、
ちょいとお姉さんからのハガキ。
活用してます。
そして『サーカスナイト』。
JONTEさんへのプレゼント決定。
また、あたしの代わりに、
「末ぜん」に行ってみてね、といっとこ。
17日のバースデーライブが楽しみです。