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スケベなあたし

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いつもの本屋で、
柏井壽さんの新作「鴨川食堂はんなり」を見つけた。
早速いそいそ買って持ち帰り、読み始める。


シリーズ5作目。
一話完結。
思い出の味を探して、
再現してくれるミステリー。
主人公の親子を、
萩原健一さんと忽那汐里さんが演じて、
NHKプレミアムかなんかでドラマ化されている。



長いこと本が読めなかった。
きっとひとの5倍くらいは読んでいたけれど、
それでも打ち震える歓喜はなく、
言葉たちはただ上滑りして行く。
病んで何を食べても味がしない感じ。
こんなんしても意味がない、
と思い始めた頃、
食べものについての小説やエッセイだけは
かろうじて読めることに気づいた。




本屋には食べものにまつわる物語やミステリーが溢れていた。
昔のあたしなら好んで読んだだろう湊かなえさんとかも、
正直勘弁しての精神状態。
人が死んだり、いじめられたり、
理不尽だったり、暴力炸裂したりするのを読むと、ひたすら気が滅入る。
こんなにいっぱい食べものの物語が必要とされるのは、
きっとあたしみたいな人がいっぱいいるんだろう。




それからも、それこそ自分の何かを埋めるように、
痛んだ何かをいやすように、
たくさん食べものの物語を読んだ。
近藤史恵さんの「タルト・タタンの夢」シリーズ。
成田名璃子さんの「東京すみっこごはん」シリーズ。
そして、この柏井壽さんの「鴨川食堂」シリーズがお気に入りである。





話はそれるが、
題名にある「はんなり」という言葉の由来について、
京都出身のみうらじゅんさんがどこかに書いてらした。
なるほど、という説明。
さすが京都人は奥が深い。
美しいことばもまた性に結びついている。



みうらさんの著書「人生エロエロ」は、
人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた、というフレーズで始まる。
同意である。
みーつー、である。



原則、毎日スケベなことばかり考えている。
具体的にはいえないし、書けない。
でもそれらは生きるエネルギーではないか。
あたしはドスケベであるが、
きっとこれを読んでいるあなたもそうであろう。




食べる喜びも、いやらしいことを考えること、もしくはすること。
それらはなんと楽しくて、喜びに満ち、
気持ちがよくて、隠微で、官能的なことだろう。
あたしの生きるエネルギーは、
食べることとスケベなことに尽きる。



てな感じで、最近は自分の欲望に素直にやっている。
よく生きてあと20年。
明日死ぬかもしれない。
何をストイックにやる必要があるだろう。
みうらじゅんさんを見習って、
せっせと「人生エロエロ」である。



詳しい話は対面で微に入り細に入り。
酔っ払うとスケベな話ばかりして、
あたしは楽しくてたまらない。
いつかあなたともひそやかにエロ話をしましょう。
では、続きを読んで寝ます。
食べる物語は楽しい。
おやすみなさい。






by haryhareh | 2018-04-21 23:24 | 好きな詩や本のこと | Comments(0)

還暦元年。まだまだ食べざかり、伸びざかり。毎日、すっとんきょうに、真面目に生きてます。日々のこと、好きなこと、JONTEのことなどをだらだらと。アイコンは川島小鳥さんの写真集「明星」。


by haryhareh
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