久しぶりのひろみつくんの会の朝。
二日酔いのダンナくんを、冷たい目でみながら、
くるみのデニッシュを食べていたら、
カリッと音がした。
何かが前歯に突き当たるかんじ。
やな予感。
そっと舌で触ってみる。
治してもらったばかりの前歯の仮歯が、
またぐらぐらしている。
いやいやなんかの間違いかと、
気を取り直して、指で触るとぐらりと取れた。
おーーまいがー!
歯が取れた。
最悪。
また、仮歯が取れた。
10連休の初日。
目の前が真っ暗になる。
これから楽しいことが待っている。
気取ったとこにも行く。
なのに歯がない。
歯無しではみっともない。
なにより、10日も歯が抜けた変なおばさんをしなくてはならない。
ずーーん。
素っ頓狂な性格のわりに、
あたしはこういうとき、動きは鈍い。
ひとこと、「さいあく!」と地の底から聞こえるような声で呟く。
ダンナくんがやっと気づく。
どうしたもんか。
歯科大はすぐに予約は取れないし、
なによりやってない。
このまま歯がないままか。
ダンナくんが、ずっと見てもらってる先生に聞いてみてはどうか、という。
わーお!
もしかしたら、もしかしたら、
今日は診察されてるかもしれん。
その歯科医院は、
うちから小走り40秒のとこにある。
9時半になった途端、電話。
やっていてください、
やっていてください、と祈る。
やっていた。
しばらくして、いつもの受付の方が出てこられた。
事情を話す。
いいですよ、やらせていただきます。
と言ってくださる。
すぐいらしてください、とも。
あたしは取れた仮歯をラップに包み、
それを握りしめて、
財布を脇に挟んで40秒小走り。
すぐ到着。
いつもの優しい先生と受付の方が待っていてくださる。
きれいにした仮歯をつけてもらい、
これからのことを説明してもらった。
次の歯科大の診察が終わったら、
歯を入れる治療に入れるらしい。
仮歯が取れて、右往左往したけど、
歯はくっつけてもらって、
これからのことがわかって、かなり安心。
最悪の後ろには、次につながることがぴったりくっついてくるのかもしれない。
歯が入り、
ひろみつくんの会にも無事参加。
楽しい時間。
歯があるってすごい。
この10連休、変なおばさんでなくて、
本当に良かった。
ジョンくん、今日は寒かったね。
身体を大切に。
あたしは君のことが、いっつもいっつも大好きやからね。